< ご挨拶 >                                                                  

巻頭の写真は、生まれて20数年を経た私のユーノスロードスターです。年期の入った老馬ですが、今でも軽快にキビキビした熟練の走りです。

10万キロを超えた時点で、ロードスターのタイミングベルトを交換しました。ところで、車は部品やオイル交換で簡単に再生できるから、生身の我々とは違うとお思いではないですか。

からだは車とは違って部品の交換は簡単ではありません。代わりに、私たちにはすべらかに、しなやかに、動的で安定した姿勢や動きをサポートする『結合組織』(connective tissue)があります。『結合組織』はからだの隅々までに行き渡ったありふれた物質で、そのために無用の長物として専門家から長い間見向きもされなかった過去があります。

『結合組織』は生命活動を支えている働き者ですが、メンテナンスを怠ると、からだはギシギシ軋み、痛みやハリ・こり感を生じさせるやっかいものに変身します。でも、適正な対応や手入れをすれば、それを受け入れる素直さを持ち、手入れの効果をからだ全体に拡げる能力も持っています。

私は、からだの動的定常状態を理解した上で、『結合組織』のこの「すなお」な性質に着目し、何処にでもある重力エネルギーを活用して、からだ自身が元気になる方法を模索しています。


➖ ありふれた『結合組織』と、何処にでもある『重力』に着目した先達の言葉 ➖
This is the gospel of Rolfing :
When the body gets working appropriately, the force of gravity can flow through. Then, spontaneously, the body heals itself.         by Ida P. Rolf

(Rolfing and Physical Reality P. 31)

「生命活動」は、緻密でとても特殊な条件が重なった結果の現象で、今でも解明が続けられています。一方、その「生命を維持する」行為が特別な条件下でなければできないのであれば、私たちは瞬時に死に絶えてしまいます。従って、どこにでもあってすぐに手に入るものを活用して、私たちは生きています。そうした事に誰も気が付かなかったその時期において、アイダ・ロルフはとても優れた洞察をしたと言えます。

➖ 生命活動そのものである動的定常状態 ➖
からだ自身は自らを構成する全ての要素の入れ替え(分解と創生)を一定期間内に行い、動的定常状態を保っています。 

(動的定常状態の参考資料 : Rudolf Schonheimerの講義原稿「生体構成物質の動的状態」 水上茂樹訳)

《掲載内容の構造》


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