そんなことから、スマッツが何を言っているのかを直接確認したくなりました。
テキストは、英語版の「Holistic and Evolution」と日本語訳の「ホーリズムと進化」です。英語版を主として、訳は補足資料です。これは、今まで読んで来た論文や記事の日本語版は、時として日本語の単語のラレツで、何を言いたいのか理解できないものが有った事と、逆に英語の言い回しがよく理解できない事のためです。
著書は1926年の出版ですが、1900年前後は思想史の上で大きな変革があった時代です。
1859年 種の起源 ダーウイン
1896年 放射能の発見 ベクレル
1905年 特殊相対性理論 アインシュタイン
1915・16年 一般相対性理論 アインシュタイン
1924年 ド・ブロイの仮説「全ての物資は粒子と波動性を持つ」
気がついた範囲ですが、などなどで、それまで馴染んでいたニュートン力学の概念などをはみ出すものばかりです。スマッツだけではなく、それまでの見方を大きく変える刺激の有る時代であったと思います。
2017年2月からの作業でした。
スマッツは、それまで異なった現象として捉えられて来た、物質(matter)で表される物理的世界、生命(life)で表される生物学的世界、心(mind)で表される精神的世界は、経験的には各々の概念は共存し混ざり合っている事に着目して、それらの根底に横たわる根本的な統合性を追求している。
従って、 人体を全体としてアプローチすると言うだけの趣旨のものではなくて、もっと宇宙の根源に肉薄する内容です。スマッツの検証に導かれて読み進み、対象となる生物の進化論、物理学などを私自身が検証しながら読み進めました。
ただ、熱力学の第1法則に関連するスマッツの論法に納得できない。この点がクリアできないために、途中でストップして今に至ります。ちょうどchapter6辺りです。
検証しながら読み進み、並行して作成したノートを改めて見ると、いかにも濃い内容の連続で、スマッツの思考に頭が下がります。いずれ、また読み進め、かつ検証を進めたいと思っています。
参考資料 :
Bethany Ward’s UNIT 2講義資料
Structural Integration an Unexplored Factor in a More Human Use of Human Beings. Ida Rolf
Holistic and Evolution Jan Christiaan Smuts
ホーリズムと進化 J.C.スマッツ 石井光男・片岡洋二・高橋史朗 訳