ウォーキングをしっかりと考えたのは、2006年7月にパワーウォーキングと言う歩きの2泊3日(だった思います)の初級インストラクター講習会(新潟県十日町)に参加した頃でした。
当時の日経の記事で、何度か読んだことが、参加のきっかけであったと記憶しています。ドイツ人の世界的なアスリート、ハートヴィッヒ・ガウダーさんが、現役引退後に細菌感染から重い心臓病を患い、心臓移植を受け、リハビリの過程で、編み出した歩行です。ガウダーさん自らが講師で、初めてその様な講習会に参加したこともあり、新鮮でした。
ただ、この歩行方法は私には合わなかった様で、しばらくすると股関節が痛み出して、真向法体操ができなくなりました。そんな事で、どんな歩行方法が自分にとって良いのか、と調べ始めました。
日本古来の歩行方法と言われる「ナンバ歩き」は、そんな状況で出会いました。ナンバ歩きが正式な名称なのか、その定義が何なのか、については色々な説がある様です。私なりの表現をすると、「竹馬の歩き」で、からだの同側にある右手と右足、左手と左足が連動します。
私達が普段行なっている歩きは、右手と左足、左手と右足が連動するため、からだは腰(肋骨が付いている一番下の胸椎12番と直ぐ下の腰椎1番あたり)を支点にしてねじれています。すなはち、胸が右斜め前を向いている時(左腕が前)、へそは左斜め前を向き(右脚が前)、胸が左斜め前の時にはへそは右斜め前を向く。背骨をネジって歩いている訳で、軍隊の行進や体育会系の集団行動演技の映像で明確に分かります。
一方、ナンバ歩きはからだの中心面を前後に通る面を左右に振って動きますので、ねじれは起きません。着物を着て歩く時にはこの動作をしないとスソが絡まって歩けません。餅つきのキネの上げ下げ、畑仕事のクワの上下、重い鉄製の大きなハンマーを振り下ろす動作、などなど有りますが、いずれも最近は普段見かける動作ではありません。
ナンバ歩きでは、腕の振りは大きくなく、反動を使いません。テンポを取るために振る程度と言えます。一方、軍隊歩きはからだをねじり、手足の反動を伴って前進しますので、いかにも歩いている様に見えますが、からだの消耗度はナンバに比べて大きいと思います。
そんな訳で、私は数年間はナンバ歩きで、ウォーキングをしていました。ナンバ・ウォーキングと密かに呼んでいます。その結果、いつのまにか股関節の痛みは無くなりました。
参考資料 :
ユーチューブ 集団行動 日本体育大学
ユーチューブ 竹馬の「超」初心者向け練習方法
ハートヴィッヒ・ガウダー パワーウォーキングクラブ日本本部 ホームページ
補則 : ナンバ歩きについては、「錯覚のスポーツ身体学 木寺英史」に興味深い考察が記載されていますので、ご確認ください。