● テレビで見た高周波ホットバルーンアブレーション治療が良さそうだった。
なぜ、佐竹医師の行う高周波ホットバルーンアブレーション治療を選んだのか? 色々な方法の中から、熟慮の末に選択した訳ではないので、明確には説明できない。なぜだろう、と考えていた時に40代前半の頸椎ヘルニアの治療を思い出した。
ある日から左の肩や肘に痺れが出た。当初は自然に治るのでは無いかと思っていたが、徐々に範囲が広がり指先にも違和感が出てきた。整形外科で診察を受け、レントゲンを撮ると頸椎3番辺りに、何か飛び出しいる。
真っ赤な色の粒の薬を処方されたが、飲むと胃が痛くなり服用をやめてしまった。
症状は一進一退を繰り返すようでもあり、徐々に悪化する様でもある。時々肩から先を切り落としてしまいたくなる様な不快感に襲われる。これから先死ぬまでこの状態が続くのだろうか、そんな不安感を感じていた。
会社でそんな話をしたところ、有名な治療師がいると教えて頂いた。なんでも1回1万円で有名人も治療に行くとの事である。1980年代の1万円はかなり高額である。しかし教えて頂いた瞬間に、受診する事を決めていた。悩まなかったのは、それ程切羽詰まっていた事も有るのだろうが、それだけか?
及川診療所は表参道近くの、守衛付きのマンションに有った。ご夫婦で運営されており、奥さんが受け付けで、ご主人が施術を担当していた。お二人とも白髪で小柄であった事をおぼえている。どのような治療を受けたのかは明確ではないが、白髪のご老人は、出ているものを押し込んでおいたからな、と言った。
押し込むって、ヘルニアの飛び出した部分を押し込むって事? なんだかよく分からないが、そんなものなのか。
あなたはあれこれいじくり回さずに、最初にうちに来たから、これでもう治った、とも言われた。他の方はあちこちで治療を受けてこじらせてから来るらしい。私の頸椎ヘルニアはそれで全てが終わった。その次の冬に違和感を感じたので、もう一度見てもらうと、もう治っているはずなのにおかしいなあ、と言われて処置をしておしまい。以降、なんの問題も起きない。
今回、高周波ホットバルーンアブレーション治療を選択した事と、何か共通点は無いだろうか?
共通するのは、あれこれ悩まずに、これにしようと直ぐに決めた事である。
なぜ悩まず決めたのか? 明確に言える事は、どちらの治療もその時の自分にはすごく身近に感じられ、それしか考えていなかった。世の中には「自分だけに響く言葉」があるらしい。多分、それである。