筋膜(fascia、複数形 fasciae)は結合組織(connective tissue)の一形態である。
動物を解剖するときに、明確に区別できるものを、各々上皮組織(epithelium tissue)、筋組織(muscle tissue)、神経組織(nervous tissue)と命名して、それらの組織間を埋め尽くしている物体を結合組織と名付けた。
企業では、営業部門、製造部門、経理部門の様に、他部門と役割が明確に区分できる集団に対して、職場の清潔な環境に責任をもったり、地域との交流にも目をこらしたりと、組織全体に目を向けるて責任を持つ部門を総務部門(総合的に全体の業務をつかさどる、と言った意味であろうか)と呼ぶ。
「その他全てをつかさどる」と言う様な意味で、結合組織と総務部門とで、何やら類似性を感じてしまう。
Fascia : The tensional network of the human bodyによると、筋膜は解剖作業の折には、目的の筋肉や臓器の周りに薄くまとわり付く半透明の物質で、解剖の目的を達成するためにまず始めに取り除く対象であったらしいが、Ida Rolfはその物質に、人体に必要なものとしての存在意義を与えて、彼女の施術の中心に据えた。
もちろん、Idaが単独でなにも無いところから、そこには至らなかったであろう。同時代の人々が人体を解明し、結合組織の真実に少しずつ近づいて行った歴史があるに違いない。
生涯をかけたボディワークの実践の人であり、生化学者でもある彼女がどの様な経験と過程を経て結合組織、筋膜、筋筋膜にたどり着いたのかを知りたいと思い追いかけているが、まだ明確に記述されたものには出逢えていない。彼女から直接聞くことはできないが、できることなら彼女自身が書いた論文などがあれば良いのだけれど。
参考資料 :
Robert Schleip PhD編集 Fascia : The tensional network of the human body
Ida P. Rolf著 Rolfing Fascia-organ of supportの章