なぜ、それが必要か

< なぜ、それが必要か>

人間の究極の関心事は健康です。健康とはからだが外部世界と内部世界の状況に応じて機敏(過敏ではなく)に対応できる状態を言います。そのためには、からだの中と外の状態を適時に把握し、それらの情報が体内に支障なく伝達される事、情報が正確に受け取られて適正に(何十万年もかけて獲得されてきた手順で)処理される事、その結果として必要な動作・反応がからだに起こる事。

このためには、からだの各部位がいつでも次の状態に移行できるように、ピュアでなければならない。例えば、情報伝達には神経線維が主な役割を担いますが、正確に素早く神経線維がパルスを伝達できるためには、神経線維だけではなく線維を包み込む結合組織が、硬化や炎症等に侵された状態ではなく、養分が行き渡りムチムチさらさらの状態で、滞る事なく他との連動ができる事が求められます。

また、私たちが立ち上がった時、全身の機能を総動員してバランスをとります。この時、樫の大木の様なスックと立ち続ける筋肉の堅牢は必要とされておらず、むしろ微細なからだの揺れに柔軟に対応する事が求められる。これは生後1年ぐらいの幼児がひとり立ちした時のからだの使い方を見れば分かります。頼りなげにフラフラしていながら倒れません。しかも、それは決して脚を踏ん張って地面にスックと直立っている状態ではありません。

大人になるにつれて、早く歩く、走る、飛び上がるなどの特定の動きの志向や、生活習慣として一定の姿勢が求められる事などから、からだの使い方の偏りが必然的に起こります。利き腕も一例です。からだの使い方の偏りは組織の偏りを生み、組織の偏りは何らかのノイズ(雑音)として認識されます。私たちが立ち上がりその姿勢を保つためには、その時に発生する重心のズレによるモーメントを補正する行為が自動的に起こる。一定の範囲を超えるとそれもノイズとなり得ますし、必要の無いエネルギーを消費する事にも繋がります。ただし、からだの部位のズレによるモーメントの発生を、脚を前に出す行為で補正すると、歩行と言うプラスの行為に変わります。

さらに、からだの一部が本来の機能を発揮できないときには、その不足を補う行為が自動的に起こります。それは生命維持には欠かせない能力で、無理をしている自覚が無いのですが、長い間にはそれが歪となりノイズとして認識される事にもなります。

からだが限度を超えてもバランスを取ろうとする事が、全身のストレスを生み、脳や様々な感覚器官の混乱を引き起こすします。従って、ノイズの少ないからだであるために、からだの組織が他部位との連動ができ稼働可能な状態である事が求められます。この稼働可能性を柔軟と呼び、その状態が各部位での滞りを防止する。

なぜ、膝から足先まで、深部に至る施術なのか

からだには連携する事で十分稼働できていない他の部位を補う機能が備わっている。お互いに補う事ができるからこそ私たちは生きていられる。そうでなければ、部品の一つが壊れた機械仕掛けの人形のようにその時点で生きていけなくなってしまう。そんなフレキシブルで融通が効く便利な機能だが、それは補完する他の部位が本来以上の働きをする事で成り立っている事を意味する。その働き過ぎが将来的に新たなノイズを発生させる危険をはらむ。

また、重力に支配されている世界で立位と言う姿勢を選び数十万年生きてきた人類は、重力を巧みに使って健康を維持する仕組みを身につけている。私たちのからだは地面と直に接する事、その感触、地球からの圧感・反発感を肉体的、精神的バランスを保つために必要とする。

それらの根幹となるのが、膝から足先である。

根幹である膝から足先までを過不足なくフレキシブルにする事、感覚をクリアにする事で、『からだが本来的に重力下で整おうとする行為』をより明確にして、からだの各々の部位が連携し相互に融通してストレスなく生活できるようになる。

一方、全身の各部位を個別にいくらメンテナンスしても、互いの連携が取れないままでは根本的な解決には至らず負の連鎖は止まらない。

なお、膝から足先は別な意味でも健康におけるからだの根幹と言える。古来より、足裏と内臓は密接に関連する事が経験的に証明されてきた。「膝から足先まで、深部に至る施術」を体験すると、内臓との関連は足裏に止まらない事を実感する事になる。実際に所、この施術を始めるとその時点で腸がゴロゴロと活発に動き始め、通弁が良くなる。

さらに、ふくらはぎは第二の心臓と言われる通り、「膝から足先まで」は血流との関連が解明されている。これは、からだの最下部に位置するふくらはぎの筋肉とこの部分の血流の関連を表した表現で有る。肝心の太い血管はふくらはぎと言われているポチャポチャした部分よりさらに深部に存在するため、表層のみの施術では十分な効果が期待できない。

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