RE THINK 7

(P.206) 正しいが正しさのあり方が間違っている可能性がある。あるいは、間違いではあっても間違い方が正しい可能性がある。必要欠くべからざる間違い。

(P.207) 誤った理論によって正しい理論が力をつけることを余儀なくされる。これにより、正しい理論が徹底的に練り上げられる。

【抵抗勢力は常に存在し得る。目的を達成しようとする過程では、抵抗勢力は単に邪魔な存在で、いない方が良いとしか見えないが、それが在る事でようやく成功する事ができると言う事か。】

(P.211) 結果的に間違っていたとわかった人々は、結果的に正しいと分かった人々と同じくらい重要。

【その存在は必要かも知れないが、結果的に間違っていたと分かった人々にとっては、たまったものではない。】

(P.217) 生体の構造の説明: 遺伝学にようなボトムアップ式の説明。 VS シェルドレイク: ある種のトップダウン式の、目的思考型のプロセス。→ 形態形成場の概念 → 有機体論

(P.224) そのような現象を「ありえない」と決め付ける主張は、非科学的なものだと考えざるをえない。

(P.224) 全ての国、地域、企業が研究はこうあるべきだと同意したら、当然ながらそれはもはや革新的ではなくなる。

(P.224) 革新的研究とは、当然ながら追求すべき正しい研究であると誰もが同意する訳ではない研究である。生化学者のピーター・ミッチェルの場合: 1960年代、私設研究所で不可解な実験を行なっていた。正真正銘の異端者。結果的に、ミトコンドリアがATPをどのように生成するかと言う解釈に大変革をもたらした。

【今では、当たり前に論じられているATP生成プロセスの解明の背景を初めて知った。】

(P.228) まちがったアイデアが重要なものになりうる事は、歴史が示している。コペルニクスの地動説vsテイコ・ブラーエの理論。

【誰も、最初から間違えようとは思っていない。その分岐点はどこか?】

(P.241) 正しい考えに到達するには、まちがった考えが必要。エーテルの概念 → 実験による誤りである事の検証 → 特殊相対性理論の構築
間違った考えが正しい考えにひらめきを与え、刺激するからだと言うだけでなく、探求者が完全に間違っていたり完全に正しかったりする事がほとんどないからだ。

【これも、(P.15) 「孤独のうちに生み出される発明はない」と言うことか。】

(P.233) より良い理論の登場によって放棄される事のない科学理論が存在している。これまでにそのような事はなかった。今がそうであるはずもない。それが悲観的メタ帰納法である。

【読み直すと、なぜこの文章を抜き出したのか、よく分からない。】

(P.234) 間違っているからといって恐れる事はない。それどころか、私たちが間違っていると認めているアイデアも、自分たちがまだどれだけの事を知らないかを思い出させてくれる大きな力になる事がある。

(P.235) 無知は良い事である。スチュアート・ファイアスタイン 「最先端でいたい? そこにあるのは、全て、あるいはほとんどが無知ばかりだ。答えは忘れて、質問に取り組もう」

【これはとても良い言葉だと思う。「既存の中に答えを探す」と言う行為を戒める。】

(P.235) ジョージ・ローウエンスタイン「好奇心は情報のギャップを埋めたいと言う欲求から生じる。ギャップを取り巻く情報を先に持っていなければ、ギャップに気づくこともない」、「何を知らないのかを認識できないことが、好奇心に対する絶対的な障害になる」。

【この言葉も良い。】

(P.236) 仮説と知識のギャップを明らかにするには、ソクラテス式問答法に大きな価値がありそうだ。自分が何を知らないのかを知る事が重要だから、ソクラテス式問答が有効」

(P.237) 未知の未知を既知の未知に変える。未知の未知に取り組んでいるときには、革新はことのほか難しい。

【未知の未知 : 何を知らないかが分かっていない。大概の場合、明確ではなく、何か居心地の悪さ、モヤモヤ感から始まる事が多い。自分が感じているモヤモヤ感を無視したら、未知の未知で終わってしまう。】

(P.238) ポール・ファイヤアーベント「方法への挑戦」。この本は、人類を迷信の時代から引っ張り出し、光り輝く新しい真理の時代へ引き入れると言うひとつの統合された「科学的な方法」と言う大衆的な図式が、科学が実際に歴史の中でたどった過程を描写するにはまるで役に立たない、事を示す。

【方法への挑戦(Against Method) : 絶対的真理としての科学、教条主義的な方法論を否定して、科学を進歩させる唯一の原理は“Anything Goes(何でも構わない)”である、と言う内容らしい。】

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