(P.39) 2500年前のストア主義 (stoicism)。 人を不安にさせるのは物事ではなく、物事についての捉え方である。自分に起こったことは変えられないが、それについて自分が思うことは変えられる。
【これも、その通り】
(P.41) 非常に高い場所から見下ろしているかのように世界を視覚化する。 マルクス・アウレリウスの手本。ヒエロクレスの(友好的関係の)円。
【マルクス・アウレリウウス・アントニウス : 第16代ローマ皇帝】
【ヒエロクルス : ギリシャのストア派の哲学者】
(P.41) ストア主義は、理性の大きな原動力である。全体の枠組みの中で自分が立つ位置を、異なった視点から眺める -文字通り空から眺める- ことを促し、認知が感情を統制する力を思い出させてくれる。それは思考そのものを向上させる思考力だ。
【例えば、宇宙の中に存在する小さな自分、を思い描く事で得られるユトリの感情】
(P.41) 状況やテクノロジーは変化するが、2000年は進化の過程ではほんの一瞬である。人間の精神はおそらくそれほど変わってはいない。
【これには全く共感できる。精神だけではなく、肉体も状況やテクノロジーは変化に全くついて行けていない。これが元で、様々なからだの不調が生まれる。】
(P.43) 現代にはまったく新しい考えが必要だと言う思い込みを打ち消す例。
【状況やテクノロジーは急速に変化してきたし、さらにこれからもするであろう現代。産業革命以前に置かれたままの肉体や精神と、急速に変化している生活環境との矛盾や歪みはどの様に修正できるのか。産業革命以前の状況を見直してみる事でヒントを得られるか。】
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(P.44) 再び実行可能にするためには改良しなくてはならないアイデア。パズルの新しいピース、すなわち隠れていたメカニズムが発覚する事によって、最先端の理論と現代科学に、またロイヤル・ゲームに蘇る。
(P.53) 新たに人気を博した(チェスの)オープニングは、常にクラムニクのように古い打ち捨てられてアイデアを再考した結果として登場している。セオリーでは良くないとされる局面に目を向ける。新しい手、新しいアイデアを組み込む、そしてセオリーを改良する。
【最近の藤井聡太さんの将棋でそのような事例があった様に思うが、将棋は素人で説明はできない。最近よく聞く言葉は、AIが将棋の世界に入り、悪手・巧手の判断を変えている、との事。あるいは、在宅勤務を余儀なくされている現状から、今までは悪手とされた習慣が見直される。そんな風な理解ができる。】
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(P.62) ジャン・バデイスト・ラマルク 獲得形質の遺伝 → エピジェネテイクス(後成的遺伝子学)
(P.65) 薬が効くのは、必ずしも脳の傷ついたところを治すのではなく、そこを補ってくれる代わりの経路を活性化するためです。
【なるほど、と思う。からだのフレキシブルな性質を考えると理解できるし、これからのアプローチの参考になる。】
(P.66) 特定の遺伝子とこうした病気[うつ病、総合失調症、反社会的行動、自殺傾向など]の間に関連を見つけるため、多大な努力と資金が投じられているが、より適切な診断や治療を助けになるようなものは、今のところ何も得られていない。
【遺伝子や特定の状況で活動をする体内物質を極める事が、からだの状況を改善する事には必ずしもならないのではないか。別なアプローチは無いのか。】
(P.68) ゼンメルヴァイスの手洗いの徹底による死亡の根絶(1840年代) → カテーテル感染症の低減(2004年)
(P.69) 科学の発見の歴史の中では、ブラックボックスは良くある事だと分かる。分子生物学によって作用する理由が説明されるよりずっと前に、薬と同じくらい効くものが見つかるかもしれない。
【からだが100%解明されるとは思えない。従って、ブラックボックスはずっと存在し続けるにでは無いだろうか。】
(P.70) 作用する仕組みがわからないからと言って、作用しないと言う事にはならない。そう言うわけで、思考する人間が見捨てられた古いアイデアから着想を得て、それが確かに作用する事を示す重要な欠落したピースを探し求める事もある。
【良い言葉だと思う。】
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