当論文を読んでいて気がついた事は、当時の経済を牽引していた産業は製造業(manufacturing)であった点である。現在(2020年)の牽引産業はなんであろうか。サービス業、あるいはIT業?、少なくとも、当時の様な労働集約型の製造業ではない。
当時の状況を確認しておく必要がある。
- 第一次世界大戦 1914/07 〜 1918/11。
- 1913年 ヘンリー・フォードが流れ作業による自動車生産ラインを構築。
- 当論文で取り上げたインフルエンザ(いわゆるスペイン風)では、高齢者ではなく25~34歳の若者が最も多く犠牲となった。(関連は分かりませんが、戦線の塹壕で兵士の多くが感染した、との話も有ります)
政治、経済、物と人の流れ、情報の流れ等は当時と今では比べようも無いが、一つだけ共通している点は当時も現在も人を介在してウイルスは広がる点ではないだろうか。電波や電線ではウイルスは広がらない。
従って、人の流れを止め、集団化を避ける対応策は、古くからあり現在も有効な1番効き目のある行為であろう。
今、日本で行われている対応策は「迅速で思い切ったNPI」と言えるであろうか。このままズルズルと緩慢な対応を続けて、いずれ世界がCOVID-19から抜け出して次のステージに移る時点でも、日本では国民全員の抗体検査がまだ行われておらず、実体が不明確なまま、とはならないだろうか。心配である。
ウイルス輸出国の扱いを受ける事態、それは経済の破綻どころか、国が滅びる事を意味する。
参照資料 :
- スペイン風邪 大流行. ~1918年の教訓~ NHK BS世界のドキュメンタリー