COVID-19 歴史に学ぶ 1

48頁に及ぶ論文をサーと読み解くだけの能力は持ち合わせていないが、introductionを読み、Figure-1で示された、アメリカ主要都市における1918年(大正7年)のインフルエンザ・パンデミック時の死者(influenza mortality)と前後数年間の製造業雇用状況(manufacturing employment growth)の相関(figure)を見ると、十分説得力を持った内容である事が期待できる。

現在進行形のニューコロナウイルスへの今まさに行われている施策の是非と世の中の動き、経済への影響を読み解く際の参考(歴史を知る)となりうる分析であると思う。

1918年にアメリカで起こったインフルエンザ・パンデミックに対して当時の施政者が行った施策(薬理的以外の対応 non-pharmaceutical interventions : NPI)と致死率(mortality)、経済への影響(real economic activity)を関連付けて分析したものである。

本論文は2つの疑問から始まる。

  1. パンデミックの一時的、恒久的な実経済への影響は何か。
  2. 地域行政のパンデミックに対する対応が経済にどう影響したか。

なお、non-pharmaceutical interventions (NPI 薬理的以外の対応)とは、

  • 学校、劇場・映画館、教会の閉鎖
  • 公共の集まり、葬儀の禁止
  • 感染が疑われる人の隔離
  • 業務・営業時間の制限

分析の結果、パンデミックにより激しく襲われた地域は実体経済が鋭くかつ持続的な下降を示し、一方では迅速で思い切った(extensive)NPIは地域のそれ以降の経済効果に影響を与えない、と述べている。それどころか、より初期に、より積極的にNPIに取り組んだ都市はパンデミック以降の実体経済において相対的に増加を経験している。

さらには、まるでこの検証は、パンデミック(が発生した事)が相当な経済コスト(経済発展に必要な費用)と言い得る事を示すばかりか、NPIはより低い死亡率のための手段たり得るだけでなく、パンデミックによる事前のインパクトを軽減する事による経済的メリットとまで言い得る、と述べている。

そして、Figure 1である。

人口100,000当たりの死者が少なく前後の雇用が伸びた都市、死者が多く雇用が低迷した都市等、状況は一目瞭然である。

さらに、Introductionは詳細に進みます。ぜひご一読、とまでは言いませんがご一瞥を❗️

参照資料 :