[P.91] 年をとると加齢現象によって筋萎縮が起こり、それがミトコンドリアの機能を劣化させ、・・・・。インターバル速歩をすれば、それによって筋力、持久力が向上し、ミトコンドリアの機能が改善して、・・・・。
関連するP.29-31の内容を整理 :
生活活動度は体力に比例し、体力が低下すると慢性炎症を誘発する。加齢によりミトコンドリアの機能劣化が起こり、それが一因で炎症反応が誘発される。ミトコンドリアは古くなると活性酸素を出し、これが細胞や組織を傷つけて刺激を与え、炎症反応が起こる。炎症がずっと続く慢性炎症は糖尿病、動脈硬化、高血圧症、認知症、うつ病、がんなどの生活習慣病を引き起こすが、慢性炎症に手を打たない限り、各々の症状に対応して行う治療は個別の状況における対処療法である。
○ 加齢による筋萎縮 (sarcopenia)
加齢に伴う骨格筋の筋線維の萎縮と線維数の減少は、30代から始まり80歳代までに筋力は約40%低下するとの事です。筋萎縮は主として速筋に起こり、タンパク質の合成と分解のアンバランスによって筋タンパク質の減少により筋線維が萎縮(筋断面積の減少)する。
遺伝子のメチル化(DNA上の塩基にメチル基が結合)によって、タンパク質発現への翻訳がしにくくなる(P.91)と言う事は、その結果としてタンパク質の合成、分解のアンバランスが生じ、筋線維のメンテナンスができず、筋線維は萎縮する、と理解ができる。
参考資料 :
- 骨格筋老化のメカニズム 九州大学大学院医学研究所脳神経病研究施設神経内科 池添 浩二
- 加齢性筋肉減弱発症の分子構造の解明とその治療・予防法の開発 早稲田大学先端科学・健康医療融合研究機構生命医療工学研究所 町田 修一