膜質層 : membranous layer
浅層脂肪層のより深部にある弾性線維組織で、波型の起伏を示す層状をしており、その中には脂肪細胞はほとんど含みません。AHFでは、(しいて言えば)この部分こそsuperficial fascia(浅筋膜)と言うべきとしていますが、一般的に認識されている様な独立した存在である事を否定しています。
The superficial fascia can be described as fibrillation reinforcement and a densification of the fibrillation network, but it should not be thought as a sheet separated from other structures. (AHF P.38)
浅筋膜は細線維による強化と細線維ネットワークの高密度化であると表現する事ができる。しかし、からだの他の構造から分離した一枚のシート状とは認識されるべきではない。
私は、ロルフィングを勉強し始めてから、Fasciaとタイトルのついた幾多の資料を見てきましたし、手元には沢山の資料があります。今までの経験を踏まえると、からだのある部分をあえてFasciaと称して特別な存在として扱う事には疑問を感じてきました。それに「Fasciaとは」を明確に定義した上で、記述している資料はどれ程あるのか疑問です。場合によっては、脂肪層と膜質層を含めて筋膜と記述するケースも目にします。
さて膜質層ですが、何層もの薄い弾性線維組織から構成され、その層の間に何がしかの脂肪細胞の層が薄板状(lamellar)で確認できます。これは超音波診断装置の画像で、色の濃い部分と薄い部分が重なり合っていて確認することができます。
参考資料 :
Layers of the abdominal wall : anatomical investigation of subcutaneous tissue and superficial fascia. Luca Lancerotto 他
Architecture of Human Living Fascia. Jean-Claude Guimberteau , Colin Armstrong
皮下組織 ドクターズオーガニック
プロメテウス 解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系