Myucroのからだ世界 20

真皮の下層には皮下組織 が有り、さらに筋層 (muscle layer)に繋がっている。
からだのこの位置には、筋膜(fascia)が存在するはずの場所です。そんな事から、今回改めて皮下組織を見直してみようと思い、インターネットで最新の動向を検索する事から始めました。

皮下組織(subcutaneous tissue/ hypodermis) :
キーワードは、皮下組織、subcutaneous、hypodermisなどで、あえてキーワード:筋膜/fascia は除外しました。その結果、特に英文資料で思いのほかさまざまな資料が得られ、その中の項目をキーとして日本語での検索に進んだケースも有りました。印象深いものでは参照資料の最初にあげた「Layers of the abdominal wall」があります。2011年1月に発表された論文ですので、内容は最新の状況を反映していると考えられます。

その他2〜3の論文をあたると、皮膚移植や脂肪吸引(liposuction)、形成外科(身体表面の見た目がよくない状態を改善する外科)、などの医療分野あるいは美容分野で、皮下組織の究明と位置づけの見直しがかなり進んでいる、との印象を強く受けました。

そこから更に状況は進んで、脂肪吸引で得られた廃棄物同然の組織からは、脂肪組織由来間質組織(adipose-derived stromal cell)が抽出できて、骨髄由来間葉系幹細胞とほぼ同等の機能を持ち、骨髄に代わる新たな組織幹細胞源として注目されているとの事です。

これらの分野での究明に大きく貢献している事の一つは、内視鏡や超音波診断(ultrasound diagnosis)など最新の解明設備で行える様になった、生体(まさに、生きたまま)でのからだ組織の観察であると私は理解しました。その意味では、Jean-Claude Guimberrteau もその仲間に入ります。

参考資料 :
Layers of the abdominal wall : anatomical investigation of subcutaneous tissue and superficial fascia . Luca Lancerotto 他
Architecture of Human Living Fascia. Jean-Claude Guimberteau , Colin Armstrong
脂肪組織由来間葉系幹細胞    東京大学大学院医学系研究科 形成外科 吉村浩太郎
皮下組織     ドクターズオーガニック
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