真皮について
改めて考えると、からだの表面からわずか2㎜程内側では、膨大な生化学反応が起こり生命と呼ばれる活動が行われております。その場所を便宜的に「真皮」と呼んでいます。さまざまな資料を読むと「真皮は結合組織です」との説明で、全てが済まされてしまいます。そんな通り一遍の記述や、そんな雑な扱いでは済まされない程の役割を持っているのが真皮ではないでしょうか。
真皮は、からだにとっては構造材・足場材(fiber)、保水材(extrafibrillar matrix)、緩衝材(fiber、extrafibrillar matrix)、保護材(fiber、extrafibrillar matrix)、潤滑材(extrafibrillar matrix)、接着材(extrafibrillar matrix)、充填材(fiber、extrafibrillar matrix)であり、炎症作用などの免疫系の活躍の舞台(cell、fiber、extrafibrillar matrixの複合)でもあり、からだの状態に応じてさまざまな情報を体内に送る発信元(cell)でもあります。
このような多様な性格を持った複雑系を、かっては(そうとは知らずに)結合組織と呼んできました。
現在は、結合組織と呼ばれる領域の解明がさらに精力的に行われていますので、ますます新たな役割が発見されて付け加えられる事でしょう。
私たちが施術を行う場としての「結合組織」。そして、その主たる対象の一つである「真皮」。こんな認識をしたいと思いますが、いかがでしょう。
真皮の魅力を表現するにはまだ充分ではないのですが、からだの深部にさらに進みます。