Myucroのからだ世界 3

それでは手始めに、からだについてイメージし易い身近な所から考えたいと思います。このアプローチは私の理解の整理になるでしょう。

そんな訳で、からだで一番馴染みのあるところの肌(皮膚)から順に深部に進んで行きます。
直接触れる事ができますし、からだの中で何かが起こると、その影響が目で見たり触れて確認できます。また、その内部では生命と呼ばれる営みが行われており、それ自体が外界との境界でもあります。

インターネットで検索すると、皮膚はからだの部位の中で、企業のサイトが一般人向けに一番多く取り上げている領域ではないでしょうか。これは化粧やスキンケアなど日常生活に直接関連して、多くの方が関心を持っている分野だからでしょう。

A. 表皮 : epidermis
からだの一番外側の部分です。
私は施術をする時に、できるだけ皮膚に直接触れて、肌の色を観察したり、触れた感触を確かめながら行います。この様に外部からすぐに情報が得られる場所で、誰でもが普段真っ先に見る顔や、握手をする時などで触れる所です。また、もっぱら女性が関心を持って化粧と言う行為を施す所でもあります。

0.1〜0.2㎜ぐらいの厚さで、上皮とも呼ばれる、一番外側の細胞の集まり(上皮組織 epithelium)です。ここで私が一番惹かれるところは新しい細胞が湧き上がる様に生まれてくる事です。

表皮は4つの層から成ります。一番表面に有る十数層の角質層(stratum corneum / horny layer)、2〜3層の顆粒層(stratum granulosum / granular layer)、5〜6層の有棘層(stratum spinosum / hyaline layer)、一番下の基底層(stratum basale / basal layer)。
わずか0.1〜0.2㎜ぐらいの厚さに何十層もの細胞が有る訳で、いかにひとつの細胞が小さな存在であるか、実感できます。

基底層では、一層のみの基底細胞(basal cell 、角化細胞 keratinocyte とも呼ばれる)が日々細胞分裂を行って新しい細胞を生成しています。できた細胞は順番に外に押し上げられ、一番外側の角質層までたどり着いて死に、垢(アカ)としてからだから剥がれる。20代の肌で約28日サイクルだそうです(50〜60日と言う説も有る様です)。年齢が上がると入れ替わりの速度はかなり遅くなり、一説では60代で100日程とか。

参考資料 :
Job’s Body. A handbook for bodywork. Deans Juhan
皮膚の構造 管理薬剤師.com
表皮細胞の入れ替わり 基礎医学教育研究会ホームページ