Myucroのからだ世界 2

「足芯呼吸により60兆個の細胞が生き生きと活性する」。
私が2017年より通っている西野流呼吸法の教室では、要約するとこの様な内容をよく耳にします。最近は、人の細胞の数は37兆個であると言った論文も出されていますが、いずれが正しいかと言う議論をするつもりは有りません。

私達のからだは一つの受精卵から始まっている事を考えると、これらの数はとてつも無い大きな数字と言えますが、1 → 2 → 4 → と細胞が分裂していき、46回繰り返すと37兆個以上にはなるそうですので、細胞にとっては容易に手の届く範囲の数値なのかも知れません。

このように、からだは膨大な数の細胞群から成り立っています。では私たちが生きていく上で無くてはならない細胞達は自分の力のみで生存できているのでしょうか。筋肉の細胞、皮膚の細胞、脳の細胞、血液の細胞など、さまざまな種類の細胞が知られていますが、細胞だけで生命活動は成り立つのでしょうか。

私達の様な多細胞生物(複数の細胞でからだが構成されている生物)のからだの細胞は、空気中から直接酸素を取り込んだり、肉や野菜から必要な栄養を取り込んだりする事はできません。各々の細胞が生きていくためには養分の受け取りや老廃物の放出などに関わる助けが最低でも必要ですし、からだと言う細胞の集合体を維持し、さまざまな機能を発揮するためには他の要素や同種の細胞の集まりとしての連携(情報交換 / 組織化)も必要です。

ロルフィング®️は、からだと言う一つの独立した塊と機能を対象にして行うボディワークです。日々のワークでは細胞などのミクロ部分にまで思いを巡らせる必要はないのかも知れません。むしろ、からだ全体を捉えて対象としますので、ミクロを意識し過ぎるのもよく無いでしょう。

そうは言っても、結合組織、あるいは筋膜と言われるものの性質や機能を十分に活用して、「のびやかな」からだに成るためには、からだ内部の構成要素にも思いを巡す事が必要ではないでしょうか。率直に言うと、この事が私はいつもとても気になっています。

参考資料 :
西野流呼吸法 西野皓三著
An estimation of the number of cells in the human body Annals of Human Biology 2013 Eva Bianconi他
気になる数字をチェック!第9回『37,000,000,000,000(37兆)個』 北キャンレポート 北大R & Bパーク